Snow Princess ~雪の華~
シーモアは急激に自分の温度が上がっていくのを感じた。
「ひ、姫様」
「や。昔みたいに名前で言ってよ」
「マリン様…」
何?と聞き返す上目遣いに見上げるマリン。
その美しさ、いや愛らしさたるや常人ではない。
だからこそ、王族なのだろうか?
そんなことがシーモアの脳裏を闊歩する。
名前を呼ぶことで、親密な気分に陥り、シーモアはさらに堕ちていく。
「どうして…」
「ん?」
「どうして、街に出たいなどと…?」