Snow Princess ~雪の華~
それと同時に貴族や権力者たちは隣の帝国に傾き始めた。
国を売り、オパールの発掘やその産業を牛耳るために必要なのは国の──ひいては王家の混乱。
そのために周りの者たちはどう王家を陥れようかと手ぐすね引いて待っているのだ。
マリン自身、その事実を知ったのはつい最近。リリアに国の情勢を聞いて驚いたものだ。
それをみすみすやらせる理由なんてない。
しかし、父である王が許してくれるはずはない。
そのためにこうしてシーモアを頼りにしているのだ。
──というが、マリンにとってはそれは全て建前。
ただ缶詰め生活に飽きて、自由という刺激が欲しい。
ただ、それだけだ。