Snow Princess ~雪の華~
地味な子。
それがリリアに対するマリンの感想だった。
実際、リリアは飾り立ては一切せず城から支給された使用人用の服を着ている。
いくら使用人服とはいえ城のもの。
多少なりと豪華にできているその服を着ているというよりは服に着られているといった風貌だった。
「今日は初めてなんだ、自己紹介でもして少しでもお互いを知るといい」
顔合わせでは落ち着いていたマリンを見て安堵に胸をなでおろし、シャーマとコーネルは部屋から出て行った。
二人が出て行ってもリリアの表情と体は固いままドアのそばで突っ立っている。
マリンは軽いため息をつき、リリアに声をかけた。
「ねぇ、お茶でも淹れてお話しない?」
リリアの顔はパアと明るくなり、はい!と返事をしてお茶の準備に取り掛かった。