Snow Princess ~雪の華~
4
───一方
リリアは、途方にくれていた。
よもやマリンが昔、騎士団訓練所に入り浸っていたとは知らないがために行き先に心当たりがなかったのだ。
頭を抱え、落ち着け、と自分に何度も言い聞かせる。
──どうせ姫様はろくでもないことをお考えなんだから、その裏をかくことが出来れば
──………ダメだ。全く思いつかない…
──その場で阻止することなんて絶対に出来ない! 彼女、悪知恵を思いつくことに関してはプロなんだから!
「もう! さっぱりわかんない! いいわ、仕事しよう」
リリアはうなだれ、テラスのお茶道具の片付けを始めた。