Snow Princess ~雪の華~
「リリア、と呼んでもよろしいかしら? あまり他人行儀なのは好きではないの。それに貴女はマリンのお友達だし」
「そんな大層なものでは! 呼び方はご自由にどうぞ」
ありがとう、といって微笑むリリーを、きれいだと思った。
その微笑みもそこそこに、すぐにリリ−は真顔になった。
「今度のパーティにマリンと一緒に貴女に出て欲しいの」
「!!」
リリアは驚きのあまり、大きな声を出しそうになるのを必死の思いでこらえた。
「そんな、無理です! 私はただの一介の従女に過ぎません!」
まくしたてたリリアにリリーはなおも真剣な瞳を離さない。
「そう、確かにただの従者。でも同時に貴女はマリンの一番の理解者でもあるわ。
敵ばかりのパーティであの子はただ一人で耐えなければならない。それは必然よ。
でもまだ、あの子は何にも知らない。必ずボロがでる。あの子をサポートして欲しいの。
始めのうちだけでいいわ。経験すれば分かってくるはずだから」