Snow Princess ~雪の華~
勝手な話を進められて怒りで興奮していたせいかうまく言葉が出ず、つっかえた。
「あまりにも勝手すぎますよ! 私の意向は何にも無視じゃないですか!」
言い終わってから、相手が誰だったかを急に思い出し、慌てた。
王妃は怒ることも、うなだれることもせず、ただただ真剣に、リリアの瞳をまっすぐに見つめた。
「ごめんなさい。確かにそうね……私は焦っていたのかも、しれないわね。この話は忘れて」
ありがとう、といってリリーは立ち上がった。
すれ違うときに、リリアの耳にぼそぼそとした言葉が飛び込んできた。
「いつの間にか、私も汚らわしい権力に溺れていたのね」
リリアははっと振り返った。
「待ってください、リリー様。今のお言葉、どういう意味ですか?」