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「!!」


初めて呼び捨てで呼ばれたことに鼓動が跳ねた。



それから、好きって言ってくれたことにも──重ねられた唇にも。




オレのシャツをつかんで背伸びをして、一瞬触れるだけのキスをされた。


「あたしだけ、だよね? 蓮くんにこんなことしていいの……?」


さっきのは無意識だったのか呼び方が戻っていたけど、彼女の精一杯を感じて思わず口元が緩んだ。





「──当たり前」


涙のにじむ目尻にキスをして、それからもう一度強く抱きしめた。

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