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そうなのかな。


オレは、一瞬でも彼女を幸せにしてあげることが出来ていたのかな。





「まっ、わたしは最初から徳永くんだと思ってたけどね」


「……言うねぇ」



カラッと言い放った松田に思わず笑ってしまった。





「大野くんならかわいい彼女が出来るって」

「松田は相手してくんないの?」


「わたしはラブラブの彼氏いるもーん」

「残念」


「……思ってないクセに」


パシンと叩かれた、痛くもない肩を押さえてまた笑った。




視線を窓の外に移すと、風が連れ去ったかのように、彼女の姿は消えていた。


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