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「勝手に入って作っといて」
放課後。
部活のなかった私はトモから家の鍵を渡された。
「冷蔵庫ン中のテキトーに使っていいから。あとケーキがどうとか言ってたぞ」
──思わず口元が緩んだ。
美佳ちゃん大好き。
「わかった。じゃ、先帰るね」
「気をつけろよ。誘拐されねぇようにな」
「……子供じゃないし」
トモなりの優しさだってことは、ちゃんとわかってるんだけどね。