+-+ another storys +-+
「……」

恥ずかしいけど、“あーん”なんて言われなかっただけいっか。


ホラーチックな音楽が流れる中、私は口を開けてケーキを頬張った。

「ん、おい……っ」


口に広がった甘さに少しほっとした時、柔らかな感触に包まれた。


「……やっぱあま……」


残ったクリームを舐め取るように重ねられた唇。



「そんな顔してっと、襲われんぞ?」

「……そんな顔って、どんな顔? ……っていうか、誰によ?」



「俺に決まってんじゃん」
< 64 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop