インジミセンス
タイムリミット
その日のニュースは朝から同じ事ばかりだった。

15年前に起きたある事件の時効成立が、残り12時間に迫っているから。

事件。
それは悲しくも一生無くなる事はないだろう犯罪。
婦女暴行殺人。

今から15年前の2000年12月25日。
被害者の富塚 真由美、当時18歳は帰宅途中に行方不明となった。
行方不明から2日後、真由美は変わり果てた姿で発見された。
司法解剖の結果、真由美はレイプされた後に絞殺された事が分かった。

そして今2015年12月25日。
あの憎き事件は終わろうとしている。
あと12時間が経ち日付が

もちろん私の中では一生終わることはない。

だが、あと12時間も経てば犯人は安息の日々を送ることになるだろう。

なぜ、私が富塚 真由美の事件について詳しいかと思う?

それは…私が真由美の母親だから。

「早苗………。」

話かけられ真由美の母、早苗はゆったりと振り返る。

「…あなた……」
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