さくら木一本道
(さくら)「第一、男なんて他人の優劣をつけたがる生き物じゃない?自分より強いだの弱いだの、頭がいいだの悪いだの、見ててムカつくのよ」
男が全員そういうわけではない、勇次のような男も大勢いる。
どうもさくらは、男に対して否定的な考えを持っているようだ。
そもそも、強いやら弱いやら優劣をつけているのは、さくらの方な気がするが、
(勇次)「いやいや…お前も同じことやってないか?」
(さくら)「それは男子どもに立場をわきまえさせるためよ、絶対的な強者になって奴等を恐怖で支配するため」
(勇次)「どこぞの世紀末覇者か、うぬは…」
(さくら)「とにかく、そうやって私は「自分の身を守って」来たの、男なんて傷つける位でちょうどいいのよ、男なんて…」
自分の身を守るためかどうかは知らんが、意味ありげに語るさくらには、さくらなりの持論があるようだ。
(勇次)「はぁ…まあいいや、とりあえず俺や龍巳以外にはそういう態度しないしな…」
(さくら)「まあ、あんたたち雑魚いしね(笑)」
(勇次)「やっぱよくねえ‼」
そんな二人の様子をニタニタ笑いながら、誠雪が口を開いた。
(誠雪)「本当仲が良いよね二人とも」
(勇次)「どこが‼」
(さくら)「どこが‼」
誠雪の言葉を、二人は同時に否定するのだが、
しかし、誠雪は首をかしげながら言うのだ。
(誠雪)「いやなんと言うか… まるで昔からの「親友」みたいな感じがすんだよね」
(勇次)「仲良くねぇし親友でもねぇ」
(誠雪)「じゃあ嫌いか?」
(勇次)「いや、嫌いとかそういうのじゃねぇけど…」
何ともいやらしい質問をする…
そもそも、嫌いならば会話をすることもないし、
第一、嫌いだとしても、本人の前でそんなことを言えるわけもない、
(誠雪)「さくらちゃんは?」
(さくら)「死ねばいいと思ってます」
だが、さくらは違ったようで、ニコリと笑いながら答えたのだ。
その様を見て、勇次は本当にショックでしかなかった。
(勇次)「おいお前ふざけんなよ‼」
(さくら)「なによ‼ 思ってることを言ったんだからしょうがないでしょ‼」
(勇次)「安易な言葉は他人を傷つけると言うことをお前は知れ‼ ちょっと本当… マジで俺は傷ついたぞ‼」