さくら木一本道
(さくら)「うるせぇバーカ‼ アンタなんか顔も傷物なんだから、傷つこうがなんだろうが大してかわんないでしょ‼?」
(勇次)「うわっ‼ なんかさらにdisってくる‼」
そんな二人の様子を、またニヤニヤと笑いながら誠雪は言った。
(誠雪)「でもさくらちゃん、勇次のこと「嫌い」とは言ってないよね?」
(さくら)「うっ…」
さくらは顔を紅色させながら言葉を詰まらせた。
以外な反応に勇次は驚く、
(誠雪)「さくらちゃんみたいなタイプは、本当に嫌いな奴とは話もしないし、目も会わせない子だと思うんだよね~」
誠雪の解説で、さくらの顔はさらに赤くなっていく、
その反応を見て勇次も何だか恥ずかしくなってきてしまった。
しかし悪い気はしない、
いや、むしろちょっとだけ嬉しい。
勇次がそんな思いでいると―
-バチィィィン‼-
気の抜けた顔に真っ正面から平手打ちが飛んできた。
(勇次)「フゴォォォッ‼」
(さくら)「な、なにエロい顔で見てんのよエロ野郎‼」
(勇次)「ッ~… 痛えなこの野郎‼ 顔の真っ正面からビンタするか普通?!」
(さくら)「うるさいわね‼ なるべく痛くするようにやったんだから当たり前でしょ‼」
(勇次)「当たり前じゃねぇわ‼ もうお前なんかこうしてやる‼」
勇次は両手でさくらの頬を掴み、横へ横へと引っ張り上げた。
(さくら)「いひゃひゃひゃ!! なにひゅんのひょ‼」
(勇次)「やかましい‼ お前なんかこうしてこうして…」
(誠雪)「ジャレてるとこ悪いけど二人とも…」
(勇次)「どこが‼」
(さくら)「ひょこが‼」
誠雪の言葉を二人同時に否定した。
(誠雪)「作業はこれで終わりだから」
そう言って誠雪は、飲み干したコーヒーの空き缶を持って立ち上がった。
勇次も、さくらの頬から手を離す。