さくら木一本道

場所は二階のラウンジに移り、勇次が買わされた缶ジュースを片手に窓際のテーブルへと座る。

そして、缶ジュースを開けながら勇次が話始めた。



(勇次)「とは言っても… どんなバイトしたいんだ? お前レジ打ちとか接客業ムリだろ」



(さくら)「なんでよ‼?」



(勇次)「え? 例えばコンビニのレジだったら…」



-イメージ-

(さくら)「いらっしゃいませー」



(客)(酔っ払いのオヤジ)「マルボロの5ミリのメンソール」



(さくら)「は、ハイ?」



(客)「だからマルボロ5ミリのメンソールって言ってんだろ‼ 早くしろよ‼」



(さくら)「す、すいません、少々お待ちくださ…―

(客)「オセーんだよチビ‼ さっさとしろよ‼」



(さくら)「……チ…び…?」



(客)「おい‼ 聞いてんのかチビ‼」



(さくら)「おい… テメェ…」



(客)「あ‼?」



(さくら)「ちょっと表でろや…」



(客)「え…?」



(さくら)「誰が「チビ」だとテメェ‼ナメたこと言ってんじゃ…―」

-イメージ終了-



(勇次)「…ってなるのが目に見えてる」



(さくら)「……」



さくらは「しかめっ面」で勇次を見ていた。

そしてある疑問を勇次に問いかけた。



(さくら)「…何で客が酔っ払いのオヤジなのよ」



(勇次)「いや、酔っ払いに限らず、理不尽な客にお前が耐えられると思わない」



(さくら)「そんなことないわよ、笑顔で対応してみせるわ」



そう言って、さくらは勇次に買わせた缶ジュースの口を開け、一口ジュースを飲んだ。

そして「ニヤリ」と笑いながら殺気をはらんだ声で言うのだ。



(さくら)「そのあと真っ赤な雨を降らせてやるけどね」



(勇次)「それがダメだと言ってんだ…」

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