さくら木一本道
(さくら)「いかにも疲れてます的な声出さないでよ!! 私だって疲れてるんだから!!」
(勇次)「も…もう… 二度とお前らの買い物に付き合わねぇぞ…」
(さくら)「あーあー!! 勝手にしなさいよ、ほら行くわよ!!」
そう言ってさくらは勇次の服を引っ張り、そのまま引きずって行った。
お会計を済ませ、出口へと向かう元気な鏡子と、疲れきったその他二人、
すると、鏡子はおもむろに腕時計を見て言うのだ。
(鏡子)「どっかでお昼食べて行こうか」
(勇次)「おお、そんな時間か…」
勇次が携帯で時計を見ると、時間は午後2時だった。
(鏡子)「ま、だいぶ過ぎちゃってるんだけどね~」
(勇次)「……」
もはや呆れてものも言えない、
(鏡子)「さくらちゃん何が食べたい?」
(さくら)「私は何でも食べるよ」
(鏡子)「「何でも」ね… 私も何でも良いのよね… じゃあ勇ちゃんが決めて」
(勇次)「……この流れで俺が決めなきゃいけねぇのか?」
(鏡子)「勇ちゃんが食べたい物を言えば良いのよ~」
(勇次)「んー…魚なんてどうだ?」
(さくら)「私、魚気分じゃな~い」
さくらは魚案を却下した。
(勇次)「じゃあ肉は?」
(鏡子)「私、肉気分じゃな~い」
今度は鏡子が肉案を却下した。
(勇次)「……テメェらな…」
(鏡子)「だって気分じゃないんだもんね~」
(さくら)「ね~」
ひどい奴等だ、勇次に行き場所を委ねさせ、それを全否定するのだ。
「じゃあテメェらで決めろや!!」
勇次は怒りを押さえながら思っていた。
(勇次)「……どうすりゃいいんだよ…」
(鏡子)「そうねぇ~ 買い物も全部済ました事だし、ゆっくりコーヒーが……」
「コーヒーが…」の部分でフリーズする鏡子、
話の続きが気になるわけではないが、気持ちが悪いので勇次は様子を伺ってみた。
(勇次)「……ど、どうした?」
すると、鏡子は何かを確認するかのように、勇次が持っているレジ袋の中を覗くのだ。
(鏡子)「大変!! ダメよ!! まだ買い忘れてるのがあるわ!!」
(勇次)「え?」
(鏡子)「さくらちゃん…ちょっと…」
鏡子はさくらを手元に呼び、勇次から離れ、コソコソと二人で話し出す、