さくら木一本道

(さくら)「ブッヒャヒャヒャヒャ‼」



(勇次)「……もういい…」



こんな兄弟の会話ごときで、そこまで笑わせるさくらの笑いのツボを知りたいところだが、

考えても分からないので、すべてを諦めることにした勇次だった。


とうのさくらは涙目を擦り、自分を落ち着かせるように深呼吸をする。



(さくら)「スゥー はぁー… 本当笑わしてくれるわね、あなたたち」



(勇次)「別に笑わせたくて笑わせてる訳じゃねぇ‼」



その通り、

さくらが勝手にツボへはまっているだけである。



(さくら)「はああ 面白かった、勇次何か面白いことしなさいよ」



(勇次)「はぁ!?」



(さくら)「私のためにさらに面白い事しなさいよ」



(勇次)「……」



意味が分からない上に訳も分からないことを言い始めた。

彼女は、自分が女王様か何かと勘違いしているのではないだろうか、



(勇次)「お前そういう人を見下す言葉はやめろよな」



(さくら)「何で?」



見下してることは否定しない、

勇次としては否定して欲しかったのだが、



(勇次)「「何で?」って…俺が嫌な気分になる」



(さくら)「別にいいじゃん、あんた私の手下だし、私あんたより強いだろうし」



確かに、喧嘩の強さで比べたら、さくらが勝るだろう、

的確に急所を突くあの剛拳は、避けようとしても避けられない、

スピードが桁違いなのだ。


それ以前に勇次は性格上、人を殴るという行為が出来ない。

傷つけて勝つくらいなら、やられて負けた方がいいと考えてる優しい人間なのだ。

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