狂暴わんこのひとり占め。
「…―――ぬわぁぁあぁ!!?」
「乙女がなんつー声出してんの」
もうやだ!朝から!
てゆーか、目が覚めてこの状況だったら、誰でも叫ぶっつの!!
「ちょ、アンタほんとに あり得ないんですけど!!
なんで同じベッドで寝てんのよ!?」
「えーソファ寒いんだもん」
「居候が何言ってんの」
「ケチ」
「…あんたねぇ」
心臓がうるさい。
だって、目 開けた瞬間、真ん前に超キレイな顔があるのよ?
しかも笑顔って。
別に私、面食いじゃないわよ?
「紗希、顔赤い。照れてんの?」
「な…、びっくりしただけよ」
「かわい〜♪」
「………」
とことんムカつくわ…。
話を聞け、話を!
「バカ犬、早く出てってよ」
「つめた!鬼!紗希の鬼!」
「私は泊まってなんて頼んでないけど」
「うん、俺が泊まりたいだけ」
素直ね…。
「…ねーやっぱさぁ、俺 手出さずにはいられねーかも」
「は?」
「だって、初対面の俺が同じ部屋で寝てんのに、熟睡って。危機感ゼロじゃん」
「そんなわけ…。昨日は疲れてたのよ」
「しかもさぁ、寝顔かわいすぎ。あと エロい」
「…え」
気になる発言と共に、私の胸元に指を指した。
……って…
「服、はだけてるから。襲う気なくても…ね?」
「帰れっっ!」
「顔真っ赤〜♪そそる!」
「エロ犬…」
もう言葉が出ないわ。
どんだけ女慣れしてんのよ…。
「…今日も居るつもりなら、アンタのご飯作らないから」
「え やだ!
じゃー紗希食べていーの?」
「作らさせていただきます」