狂暴わんこのひとり占め。
「はぁ、諦め悪いなぁ。
何?頭も悪いの?ちゃんと分かるように言ってやろっか?」
「んだと コラ!!」
だめー!灯夜、これ以上油注いじゃだめっ!!
精一杯 心の中で訴える私。
灯夜はブレスレットを腕に付けて言った。
「つかガキじゃねぇし。
俺の女に手出すなって言ってんの。分かる?」
私の訴えも虚しく…
って……え?
「ちっ、結局 男か。いい女捕まえたと思ったのによ」
面倒くさそうに、帽子のチャラ男はピアスを引っ張った。
「男持ちだ。面倒だから行くぞ」
やり返してくるのかと思いきや、さっさと引き返して行った。
頭突きが効いたのか…?
てゆうか。
「と…灯夜」
「紗希、このブレスレット、どうしたの?」
「え………あ、ああ、雑貨屋さんで貰ったやつだよ」
「そっか。可愛いね」
なんで普通に答えてんだ、私。
「灯夜…さっきの、大丈夫?」
「ん?何が?」
「えと…あのさ、
助けてくれて ありがと…」