狂暴わんこのひとり占め。




灯夜は少しだけ驚いた顔をして


「出たよ、ツンデレ」


「な゛っ」


「嘘だよ!どういたしましてー♪」


「………」


「なに?まだ不満そうな顔してんね?」


私の顔を覗き込む。

だって。意味不明なこと、言うんだもん。



「あ、俺が今日 言いたかったこと分かったでしょ?」


「え?」


「紗希はさっきみたくナンパされやすいだろうから、俺が番犬になってやろうと思って」


「は……番犬?」


何を言い出すんだコイツは。


「そ♪しばらくは俺の彼女でいてね♪」


奴は手首に着けたブレスレットに軽くキスをして、またしても意味不明な発言をする。



「……っ。なんでそうなんの!」


「なんでって…
紗希が犬扱いしたから」


「は?それ理由になってなくない?」


「まぁ細かいことは気にしない気にしない♪」


番犬とやらは、ニッと得意の笑みを浮かべた。


「全然細かくないし…。
やっぱあんたの頭ん中はどうなってるか分かんないわ」


「へへへへ」


「………」



もう、相手するだけ無駄だ。





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