狂暴わんこのひとり占め。
はっと、私は気付く。
「もしかして、わざと私がナンパされるの…待ってたの?」
違うと言って。
「バレたか」
「最っ低」
「ごめんて!だってこの方法が一番伝わりやすいかと思って」
「遠回しすぎよ」
可愛い顔をされると、キツく言えない。
嘘の顔だって分かってるのに!
「でもさ…紗希ってモテてること、自覚ないでしょ?」
「思い当たる節がないもの」
と返すと、灯夜は大きなため息をついた。
「馬鹿だね。犯罪者だね もう」
だから何がだ。
犯罪者はあんたでしょう。
「買い物してる時、一緒にいるのが俺だったから良かったものの。
男達みんな紗希のこと見てたからね?」
何 言ってんの灯夜は?
そんでさりげなく自信過剰だな。
「大げさすぎ。また何か企んでんの?ってゆうか見られてたのあんただからね」
「まぁそれは当然だけどね」
「………」
「とりあえず、紗希は一人じゃ危ないんだよ」
「……なんで?」
と聞くと、灯夜は難しい顔をした。
「(……鈍感?)」