狂暴わんこのひとり占め。
「昔から紗希には変な虫が付きやすいからね。 心配して当たり前でしょ? たとえば君みたいな」
「さっきから失礼 極まりないよね、あんた」
「話が反れた。 で、どういう理由でここにいるの? 君はどうやって紗希に近づいた?」
「真樹、ちょっと言い方」
「さぁ…どうだろね? 運命的に出会ったかな」
真樹のこと、面白がってる?
「ふざけてないで、真面目に答えてよ。 じゃないと居候は許さない」
ほら、面倒くさい感じになってきたよ。
最初からこの人たちは面倒くさいけど。
「まぁ…あんま聞かないであげて? 人それぞれ事情はあるじゃん。 あんたの許しがなくても、俺ここに住むし」
ニッと余裕の笑みを浮かべる。
やっぱり素性は隠してる…。
ていうか、どさくさに紛れて勝手に決めるな!
私の許可はいらないのか!
「ますます引き下がれないよね。 君がそのつもりなら…」
クイッとメガネを上げる。
そしてキラッと光った気がする。
「僕もここに住むよ?」