鬼守の巫女・番外編

「僕は凪が好きだ」

その僕の突然の愛の告白に、教室がざわざわとざわめく。

凪は頬を微かに赤く染めて少し複雑そうな顔をして俯くと、それから小さく頷いた。

「ありがとう。でも私は魏戎が好きだから……ごめんね」

凪は真っ直ぐに僕の瞳を見つめそう答えると、穏やかな笑みを浮かべた。

「……うん。知ってる」

それだけ言って彼女に笑みを返したその瞬間、ガラリと教室の扉が開かれる。
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