『想い方』
「ご飯は食べた?具合悪いところは無い?ねぇ、アズ?聞いてる?」
[女]が懸命にドア越しで話しかけてきた。
「アズ?元気でやってたの?お金は?学校は?」
返事を返す気にもなれなくて、私はベッドに倒れた。
その日は寝れなくて、[女]の声を聞きたくなくて、私が好きなアーティストの曲をずっと聞いていた。
謝ってほしいとか
見知らぬ男を紹介してほしいとか
そんな事望んでいない。
ただ
必要だよ
って言ってほしかった。
[母]に必要とされたかった。