『想い方』
新しい服も
新しい靴も
欲しいCDも
ブランド物も
全て我慢して、借金返済に回してた。
由香と私がデリを始めて2週間ぐらいたったある日曜日。
~♪~♪
携帯の着信音と部屋の寒さで目が覚めた。
この着信音は由香。
時計に目をやると、お昼の12時。
仕事の支度をするのにも少し早い。
『もし~?』
「アズ?ごめん。寝てた?」
『うん。どうしたの?』
少し沈んだ由香の声に耳をかたむける。
「智也が話したい事あるらしいんだ。今からアタシん家これる?」
一瞬ドクッと胸が高く鳴った。
風俗バレた…?
『…電話じゃだめなの?』
「うん。直接話したいみたい。アタシも何も聞かされてないんだよ…。」
多分、この時も由香と私の気持ちは一緒だったと想う。
『…分かった。支度して行くから少し待ってて?』
「分かった。」
由香の寂しそうな声で電話を切った。
落ち着かなくて煙草に火をつける。
フ―…
バレたかな…?
バレてたら由香と智也はどうなるんだろう…。
彼女が風俗で働いてたら、気分が悪いだろう。
別れるのかな…。
色々考えながら支度をし、由香と智也が同棲してる家へ向かった。