『想い方』
――――――
――――
――
駅前のカラオケボックス



いつもより、酒が進む。



いくら呑んでもあの光景が頭から離れない。



――トゥルル


部屋の電話が鳴った。


『はい?』


「お時間10分前で~す。」


店員が明るく言う。

それさえもむかついてくる。



『由香~10分前らしいよ。』


「はいよ~。」




会計を済まし、外に出る。


寒くてびっくりした。


『これ雪降るんじゃない?』


「降ってほしいなぁ~。夜に雪降ってるのって綺麗だよね。」


『うん。』



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