金木犀〜恋の香り〜
「それは?」
「あのぬいぐるみは、私にくれる為の物じゃないの…?私、ほしかったな…」
「え………?」
頭が真っ白になる。
「どういう…意味だ?」
「見たの…声かけようとしたけど…出来なかった。出来ないよ…」
由嘉は、帰り途中に俺と南が会っている所を見たと、
そしてそれは…丁度俺がぬいぐるみをあげてる所だった…
「そうか……ごめんな。だけど深い意味はないんだ!ただのジュースのお礼!くれたから…それだけだよ」
そう言っても、由嘉は納得している様子はなかった。
「本当に…!?
それ以上の気持ちがあるんじゃないの…!?
あるんでしょ…?」
「ないよ、」
それでも俺は、まっすぐ目を見て伝えた。