金木犀〜恋の香り〜
選んだ道の先
あれから何日かたった。
相変わらず、由嘉と毎日を過ごしていた。
でもあの日…あの時、
南と会ってから
南の事をよく考える。
どうしてるんだろう?
とか、元気かなとか…
(ブーブー)
そんな時、携帯が鳴った。
送信者は…
南からだった。
『土曜の3時に、あのカフェに来て。こんなお願い、聞いて貰えないの分かってるけど……待ってるから』
どうしてだか分からないけど…もう会わないって言ったのに、
南から誘ってくるなんて…よっぽどの事なんだろうな…
返信に困っていると、由嘉が話しかけてきた。
「大輔?固まってるよ?まぁいいけど。それより土曜、買い物付き合ってね!」
「ど、土曜?」
「なに?ダメなの?」
南をとるか…由嘉をとるか。
答えは、ひとつだ。
「いや、行くよ」
「やったぁ〜!」