金木犀〜恋の香り〜

由嘉は、涙で濡れる俺の頬にそっと触れる。


「でも…由嘉を愛そうとしてくれてたのは…ちゃんと伝わってたよ。
由嘉ね、自分を作ってたんだよね!
自分の事、私とか言ったりしないしさ!
それに、前に言った親の借金?あれ嘘!
大輔から同情を引くためについたの。
大輔をいつも騙して、縛り付けてた…ごめんね…」


「由嘉…謝るなよ。由嘉が俺を想う気持ちも、嘘?」


「そうだよ!…って言いたいけどっ……残念ながらそれは本当…!本当、好きだったんだから」


涙を流しながら伝えてくれた由嘉。

「…ありがとう…な。本当に本当に、ありがとう…」


「馬鹿!もう二度と逢いたくないよっ……。早く、本当に好きな人に、好きって伝えてあげて!」



「おう………!」


由嘉に気づかされた、俺の本当の気持ち。
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