金木犀〜恋の香り〜
それから俺たちは、
いろんなところを
歩きまわった。
それはまるで…恋人たちのように。
たわいのない話をしながら。
ついて来て。と南に言われてつれて来られた小さなカフェ。
席に座ると、南はゆっくり話し始めた。
「ここね、あたしが受験で追い詰められてた時に、通ってたカフェなんだ。」
「南が?一人で?」
「うん。何かに吸い込まれるように、この店に入ったの。ここに入れば、何か見つかる気がして」
「そうなんだ…で、見つかったの?」