金木犀〜恋の香り〜
「うん。見つけたよ」
「何を見つけたの?」
「"恋"。あたしはここで恋を見つけたの」
「え…?」
「…ごめんね。いきなり。でも大輔君に、聞いてほしかった。自分でもよく分からないけど…。隠し事っていうか、したくないなって…思ったの」
本当に、分かんないな、南は。
話したくない話を自分からするなんて…
まだ1回しか会ったことのない俺に。
この時、芽生えた気持ち。
南をもっと分かりたい。
そう思ったんだ。