金木犀〜恋の香り〜
―翌日
待ち合わせの時間より早く来過ぎた俺たち
何だか緊張してきた…昨日までは楽しみなだけだったのに。
「おーい、顔が緊張してんぞ!南ちゃん、落とすんだろ〜!もうちょい自信のある顔しろよ〜」
「うるせっ!自信ありますよ〜だ!見てろよっ。いつものノリで南を惚れさせてやる!」
「ゆうねぇ大輔くん。俺は葉月ちゃんが楽しみだな〜
」
そんな事を言ってると受け付けの方から、
「あの、待ち合わせしてるんです。矢野さんはいらしてますか?」
と聞こえてきた。
振り返った俺たちに気づいた2人がこっちに近づく。
「大輔くんですか?わたし、土井南です」
「本庄葉月でーす」
「お…おぅ。よろしく」
そう答えるのが精一杯だった。
待て待て…
これが南…………
あの南………?