金木犀〜恋の香り〜
「ごめん。無理」
前の俺は、いいよってニコッと笑う。
そしてメアドなんて簡単に教えちまう、最低な奴だった。
あの時は、女なんてみんな一緒だと思ってたから。
だけど今は…
そんな事しちゃいけないよって、南に言われる気がして。
できないし、やらない。
南が俺を、変えたんだ。
なのに…南………。
それを見てた南は、誤解したのか、
「やっぱり…。」
そう言い残して再び校舎へ戻っていった。
…え、なにが「やっぱり?」
俺は慌てて追いかける。