金木犀〜恋の香り〜
もう二度と…
「何だよ」
俺は冷たい視線と冷たい態度のまま由嘉に聞いた。
由嘉は…、俺の元カノ。
俺が今までで本当に好きだった女。
そして本当に許せない女。
忘れられなくて…アイツのせいで女はみんな一緒だと、思うようになった。
「ちょっと話そう…?ずっと話したかったの…」
「話すことなんて、ないだろ」
「あるよっ……」
ギュッと俺の服を握る。
コイツの癖だった。
甘えたくなると、俺に来てギュッと服を握るんだ…