金木犀〜恋の香り〜
「は?」
「私の家ね、すごい借金抱えてて…。それで大輔に迷惑かけたくなかった…だから…」
「だから別れてって?あぁそうか。理由が聞けてよかったよ、じゃあな」
俺は逃げようとした。
もう傷つきたくない……
もう辛い想いはしたくない…
「でもっ…やっと返せる目処がついて…。今はあのファミレスでバイトしてるのっ…。」
「だから何だよ!」
「またやり直したいっ………あたし今でも大輔が好き」
「…………………。」
「ダメっ…?」
そう言いながら、アイツは俺を抱きしめた。