金木犀〜恋の香り〜
「何で怒ってんの〜?」
本当はわかってるくせに、わざと知らないふりして由嘉に聞く。
すると由嘉は悲しい顔して、
「みなみって誰?」
と聞いてきた。
「大事な…友達だよ」
「ふぅ〜ん…友達ね…」
由嘉は流してくれたけど…
俺は、簡単に友達という言葉が出たことに…
最低だと…思った。
「じゃあ、また明日買い物付き合って!」
強引な誘いも、俺から離れたくないというサイン。
「ん?いいよ?」
優しく微笑んで、ポンっと由嘉の頭に手をおいた。
これで…いいんだよな。