金木犀〜恋の香り〜
次の日も、また次の日も俺は由嘉と会った。
会えば、忘れられる…きっと忘れられる。
そう言い聞かせながら。
いつものように、俺の部屋でくつろいでいた。
「ねぇ!この紅茶、友達に貰ったんだ。おいしいよ〜飲む?」
「あぁ〜俺はいいや、俺紅茶嫌いだし」
「え?紅茶嫌いだったっけ?」
「俺言わなかったけ?てかお前も嫌いじゃなかった?」
「逆に大好きだけど〜?」
「飲めないって言ったじゃん………」
「私、言ってないよ……。南ちゃんと勘違い…してるんじゃない…?」
走馬灯のように記憶が蘇る。