金木犀〜恋の香り〜
「これ…やるよ。南このウサギ、好きだったろ?ジュースのお礼」
南に差し出したのは、さっき取ったぬいぐるみ。
「え…いいの?これ、彼女さんにあげるんじゃ…」
「彼女には、また取るから。南にあげるよ」
「本当に?ありがとう…」
南にぬいぐるみを渡して、立ち上がる。
「じゃ〜そろそろ帰るわ!またな、南」
「あたし達に、"また"ってあるの…?」
何気なく言った一言が、
こんなにも大きな意味を持つなんて…
俺は知らなかった。
そうだ、どうして俺は"また"なんて言ったんだろう。