歪な-さんかく
「遅くなりました。頼まれた資料を持ってきたんですけど…」

「あぁ、ありがと。急がして悪かったね」


生徒会長の御堂先輩が一人でパソコンに向かっていた。


「あれ?他の人は?」


基本、生徒会室では必ず二人以上の役員で行動する事になっている。
機密重要書類の流出なんか防ぐ為に互いが互いを監視しているから。


「いないよ、今日はちょっと君と話したくてね、人払いしたんだ。」

「へ?あたしと?」


会議室から持ってきたパイプ椅子に足を組んで座る御堂先輩はパソコンからコチラに身体を向けておもむろに眼鏡を外した。
切れ長の裸眼があたしを見ている。


「どんな話しですか?」


特に悪い事もしてないし、極普通の学生生活をしている自信があった。だから何を言われても怖くはなかった。


「単刀直入に言うよ。俺と付き合ってくれないか?」

「備品か何かの買い物ですか?なら会計サンに…」


天然でボケはあたしを御堂先輩は一瞬ポカンとした表情で見た後


「アハハ!面白い子だね、君は。付き合うってのは買い物じゃなくて、カレカノになろうって意味で…」

「はぁ…、すいません」


吹き出した先輩はいつもより幼く見えた。


「で、どう?付き合ってくれる?」

まだ笑いが抜けていないのか先輩は笑顔であたしを見ている。


綺麗な顔してるよなぁ。なんてゆうか王子系?女子がキャアキャア騒ぐのも解る気もするなぁ。

そういや、エンにもファンクラブがあるんだよなぁ。まぁ確かに綺麗な顔立ちしてるもんなぁ。御堂先輩とは違うくくりだけど…。エンはやんちゃ系?わんこ系?


ぐるぐると関係ない事を考えながら先輩の顔を眺めていた。



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