歪な-さんかく
「あ―、えっと…(何が?)」

「聞いてなかったのか?剣道部の連中がお前に暴力を奮おうとしてたのを女テニの子達が葉月に知らせて、葉月が助けに行くとお前が防犯ブザーをならして逃げたって話しだが」

「まぁ…だいたい合ってるかと…」


ポリポリと頬をかきながら視線を外すと、



「そんだけじゃないだろ?現に防犯ブザーだって踏み潰されてるし」


まぁ、確かに防犯ブザーは無惨な姿を晒してしるけれども…

それよりもだ



「あたしは大丈夫ですから、そんな大した問題じゃないですし!とにかく葉月君と女の子達にはなんの問題もないわけですし、ってかまだ生徒会の仕事あるんで教室に帰してくださいませんか?」



あたしよりも彼女達のが危険かもしれない。

剣道部の柄悪な奴等に顔を覚えられてしまって嫌がらせなんか受けたら可哀想過ぎる。


あえて冷めた口調に勤める事で自分は気にしていない事を強調する。


「だから教室に…」

「私は…、私達は…」



あたしの言葉を遮るかのように彼女達は


「今朝だけじゃないんです!剣道部からは時々タバコみたいな臭いとかするし、何か壊す音がする時もあって…」
「私達、怖いんです!」
「だから葉月君に…」


多分気のせいじゃなきゃ、最後の子はエンが好きなんだろうな。

ほんのり頬を赤く染めながらエンにチラッとさっきから見てるし…


凄く勇気を出して言ってくれたんだろうけど


やっぱり危ない目には合わせらんないよ



「剣道部の部費を減らす形で処置します。部室の管理及び監視を定期的に先生方にお願いします。という方向で話しを進めてください」



彼らの視線をあたしに向ける事で彼女達とエンへの怒りをあたしダケに向ける。


「後はお任せします」


何か言いたそうな先生やエンを無視してあたしは踵を返して歩きだす。



「失礼します」


後ろで小さく舌打ちする赤髪ピアスと俯くエンを視界に入れない様にした。

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