歪な-さんかく
変な感じがした。

俺の隣を歩くのは鈴で鈴じゃない感じ。

七五三用に伸ばしていた長い髪(鈴は不本意)を緩く巻いてポニーテールにして、ピンクのワンピースと揃えたピンクのリボンで飾っている。

まるで―藍みたいだ。


見慣れていないからか、普段が普段だからなのか、若干藍よりピンクが似合うようにも感じる。



「ぁのね、まぁ君」

小さな声で鈴が俺に言った。


「今日は鈴は藍なの。このワンピース、藍がスッゴク気にいってたから入学式に藍の代わりに連れてってあげるの!だからね、今日は鈴を藍って呼んでね!」


可愛らしく笑う鈴に頬が熱くなった。




入学式――

鈴と俺は同じクラス、藍は隣のクラスになった。

配られた赤いリボンは一組の印。でも鈴はソレを胸には着けず、隣のクラスの黄色いリボンを着けると言い出した。

自分の名前を呼ばれても返事はせず(担任タジタジ)、藍の名前が呼ばれると『欠席』と発っせられる前に大声で返事をした。


そんな事が続く入学式も2日後に藍が登校した事で少しだけ落ち着く。


藍が学校に行く様になった日から鈴はまた青や緑を身に付ける様になっていた。


そして時が経ち
―――俺達は思春期に入る。
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