甦り~いつも共に~
それは、いつしか、“作品”と呼べる物に変わっていった。

他の先生の大半から、発表すべきとの声も挙がったが、担当の先生は違った。

ナツミの心を大切にしたいとの気持ちから、あえて“封印”した。

世間に出るより、世間で認めて貰う事より、何よりもナツミの素直な表現を大切にしたかったからだ。

今すぐにと慌てなくても、いつかそれが、世に出ると。

機が熟すまで、待てばいいと。

その“作品”は、今も施設に大事に保管されている。

ナツミが、笑顔で取りに来るのを信じて…。


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