甦り~いつも共に~
「あっ、はい、コップでしたね。えーと…。」

小棚へ向かい、また、探し始めた。

その間、“有難う”の言葉を考えた。

(少し、ぎこちない言い方だったけど、純粋な響き。)

(他の客の場合、そんな言葉は返って来ない。)

(では、どうしてこの男性は度々使うのだろう?)

(むしろ、使えるのだろう?)

(逆に、皆は使わないんだろう?)

(あまりにも単純な言葉だから?)

(当たり前過ぎて恥ずかしいから?)


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