甦り~いつも共に~
第3章 手作り雑貨屋 未完成

フル・カラー

ある日、街を歩いていて、懐かしい曲が流れてきた。

シャーデーである。

ユキが学生時代、よく聞いていた歌姫である。

その、けだるい魅力的な歌声は、ジャズとアダルトコンテンポラリーをミックスした、ストリングスなおしゃれな演奏に、無駄を省いたクールなものだった。

しかし、深く優しく静かに官能的で、異次元的な温かさを持っていた。

当時、おしゃれなバーでは、よくかかっていた。

今となっては、ほとんど流れている事が無くなっている。

ユキ自身さえも聞く事を忘れていた。


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