甦り~いつも共に~
ユキは、その歌声に誘われるように店に入った。

そこには、背を向けながら作業に没頭している男がいた。

こちらには全然気付かない。

元々、洋服屋に行っても、店員にまとわりつかれるのが苦手なユキにとって、気付かれないのも、ちょうどいいと思った。

店内を見渡すと、全色かと思わせるぐらいの絵の具があった。

セピア・カラーにあせたユキにとっては、圧倒される感じがした。

椅子が置かれていたので腰を掛け、曲を聴くついでに、暫く作業を眺めていた。


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