甦り~いつも共に~
その言葉に、一瞬、ドキッとした。

実際、医療の最前線で働いてきたユキにとって、いつも緊張の連続で、休めた記憶がない。

当然、仕事だから精一杯看護する。

そんな中、治っていく患者は、当たり前である。

しかし、消えてしまう命に接すると、つらい気持ちで一杯になる。

理想と現実のギャップに苦しみながら、閉塞感に覆われる。

退職はしたが、いまだ束縛感から解放されないでいる。

そんな事を思い出しながら、シュンの言葉に、心の中のからんでいた糸がほぐれていくのを感じた。


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