甦り~いつも共に~
それは、絶望感を味わった者だけが持つ、深い悲しみ。

「助けてほしい」という悲痛なる訴えが、このナツミという女の瞳の奥底に潜んでいたのだ。

と同時に、間近で分かった“かつら”。

そして、袖口から見える左手首の無数の“傷跡”。

それは間違いなく、リストカットの跡だった。


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