甦り~いつも共に~
時を同じくして、ムリーリョの絵と出会う。

17世紀スペイン最後の画家と言われ、多くは宗教画だが、子供を中心とした風俗画も描いた。

当時セビリヤは、伝染病が蔓延し多数の死者が出た。

通りには、何百という死体が転がり、その中を孤児達が生き抜いている。

自身の幼少期と重ね合わせ、筆に込めた彼は、生まれきた喜びと生きる苦悩を描いた。

深い陰影・明暗対比の大きい作風に、柔らかく繊細な表現は、ユキを釘付けにした。

初期は、暗くかたい表情の孤児達も、後半は全体に明るく柔らかな表情に変わっていった。

ユキは、そんな中から、ユキなりの哲学を構築させていった。


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