この涙が枯れるまで
~第九章・新たな出会い~
緑色の葉が茶色に変わっていく。
もう夏は終わろうとしていた。
秋が来る。
もう二年生の二学期になっていた。
二学期と言ったら、
文化祭と修学旅行がある。
修学旅行は沖縄。
とても楽しみだった。
ある日のHRの時間。
『来月10月に修学旅行あるからその班決めします』
今日は修学旅行の班決めをするそうだ。
『優~どうする?』
歩が振り返りながら言う。
『何でもいいよ~』
『優~歩~俺あっちの班行くから、ごめんな』
『お~分かった』
安里は違う班に行ってしまった。
『じゃあ俺と沙紀と優にしよ~ぜ』
『沙紀いいの?』
『うん!歩と回りたいし!』
『じゃあもう一人どうすんの?』
班は4人から6人。
僕達に今の状態は3人。
周りを見渡すと、もうほとんど班が出来ていた。
『みんな決まった~?』
先生が腕時計を見ながら言った。
『先生~俺達の班一人足らない!!』
『誰か余ってる人いるんじゃない?足りない事はないはずよ』
『先生、私が余っています』
そう、手を挙げて言った人。
姿勢がとてもキレイで、みんなと違う空気を持つ女の子。
目がくりっとしていて、小顔で背が高い、まるでモデルのような人。
こんな人学年にいた?
これが僕とナナの出会いだった。