この涙が枯れるまで
百合が席に着いた。
僕の席と百合の席のちょっとした空間がすごい嫌だった…
しかも今日は実力テストで早く帰れないし…
今日は嫌な一日になりそうだな…
───・・・・
『始め』
先生の声でみんな解答用紙に答え書き始める。
残り10分の時、僕はいろいろ考えた。
もう諦めよう・・・
もう好きじゃない・・・
和樹を応援する・・・
そんな事ばかり。
でも現実は、
まだ諦めない・・・
まだ好きなんだ・・・
和樹には負けたくない・・・
全部正反対の事。
僕の想いは加速続けていく…少しずつ速くなっていく…
そして終わりのチャイムが鳴った。
一時間のテスト終了。
出来はまぁまぁ。
ふと横を見てみた。
すると百合と目があった。
僕はすぐに目を逸らした…
『鈴木君』
隣の百合が僕に話かけてきた。
『何?』
僕は百合の方を見ないで返事を返す。
『昨日木田和樹っていう子からメール来たんだ…知ってる子?』
『うん、俺のダチ…実はそいつから頼まれたんだ。ごめん』
『いいよいいよ!でも鈴木君からじゃなくてちょっとショックだったな…』
『ごめんね?』
『ううん、いいよ』
こう言って百合は沙紀の方へ走っていった。
百合の言葉を思いだした…
《鈴木君じゃなくてショックだった》
僕じゃなくてショック?
ていう事は僕だったら嬉しかったのかな…
どういう事だろう…