この涙が枯れるまで
『しかも、先輩の告白断ったらしいじゃん』
『鈴に悪いと思って…』
『あんた先輩がどれだけ落ち込んでたか分かるの?
学校まで休んでたんだよ?ホント腹立つ。私と先輩をどれだけ傷つければ気がするの?』
『ごめ…ん…』
そう言った瞬間、鈴は笑った。
『私あんたの秘密知ってるんだぁ…』
ドクン…
『あんた~親いないんでしょ?しかも施設にいるでしょ?』
『何で…それ…』
『この前見たんだ~…あんたがバイト帰り施設に入っていくとこ。それに、その施設にいる子に聞いたんだ~親がいないから来たって』
『…………』
『これ聞いた先輩…どう反応するかな?』
と笑いながら鈴が言った。
『やめて!!和哉には言わないで!!!』
『どうしよっかな~』
『…やめて………』
涙が止まらない。
『…先輩のタイプって隠し事しない人だもんね~。あんたじゃ…無理ね』
『…わかってる』
『先輩に言いつけてやるから』
とだけ言いすて、鈴は去って行った。
私は抜け殻だった。
でも涙だけは流れていった。
枯れる事なく。